隆起サンゴ礁などから過去の気温変動の状況を分析し、地球温暖化のメカニズム解析や気象予測の研究を進めている東京大学大学院理学系研究科の横山祐典教授らがこのほど、喜界島を訪れ、同島のサンゴ調査などを行った。横山教授は「喜界島は現在も速いスピードでサンゴ礁が隆起を続けており、観測素材が多い」として、将来の気候変動予測の技術確立へ向け重要な地域と位置付けている。
調査は環境省の地球環境研究推進プロジェクトの一環で、「過去の海水準変動と水温変動の定量的な復元」をテーマにしている。
喜界島を訪れたのは横山教授のほか、国内外の大学や研究機関の関係者ら九人で、十月十四―二十三日の期間、島内の過去二千―十万年前のサンゴのサンプリングや石灰岩のボーリング、各地の地質調査などを行った。採取したサンゴを化学分析し、サンゴ活動期の気温や水温を割り出す。
横山教授によると、過去の海水温度や潮流状況、気温などの状況分析は、昨今の地球温暖化に伴う将来予測研究の技術精度を上げるためにも必要とされている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が昨年発表した第四次調査報告書にも重要性が盛り込まれているという。
横山教授らは、今回喜界島から持ち帰ったサンゴや石灰岩から、過去の気象データを割り出すとともに、当時の海水温や潮流が気象状況に与えた影響などについての研究結果を取りまとめる予定で、喜界島での調査については来年以降も継続する方針だ。
その上で、一連の研究・調査結果をまとめ、IPCCの第五次調査報告書へ盛り込めるよう活動を続ける。
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