豊橋鉄道(水野忠之社長)は30日、市内線の赤岩車庫で、乗降段差がほとんどない新車両「LRV」(全面低床車両)を公開した。1925年の同線開業以来、83年ぶりに購入した新車で、一般公募により『ほっトラム』と愛称を付けた。水野社長は「背が高くスマートで、本当に優雅にできている。貴婦人と呼ぶにふさわしい。豊橋のまちの顔になってほしい」と期待を込める。試運転を重ね、12月19日、駅前~赤岩口間4・8キロでデビューさせる。
豊鉄のオリジナル設計に基づき、アルナ車両(大阪府摂津市)が製造した、国産第1号の全面低床車両。長さ16・2メートル、幅2・4メートル、高さ3・85メートル、重量約23トン。3つの車体を、2つの台車上に連接(中央車体は台車なし)する方式で、カーブに応じて車体も曲がりながら走っていく。これにより振動や騒音も低減される。
定員74人(座席数29)で、車内段差もなく、車いす用スペースを広く取った。白を基調にしたシンプルなデザインで、前頭形状が丸みを帯び、車体のラインは「豊川の清流と緑のまちをイメージした」という。現在運行している5車種・16両の市電と比べ、長さや定員数など、いずれもやや大きい。車両価格約2億5000万円のうち、約半額が公的補助を受け、3400万円は豊橋商議所など民間からの寄付でまかなった。
赤岩車庫にはこの日、市電風景をカレンダーなどに描いている伊奈彦定さん(とよはし市電を愛する会副会長)も訪れ、「とても立派でインパクトがある車両。(LRV導入を目指す)市民運動を続けてきて良かった」と話した。市電運転歴36年という森岡留廣さん(59)は「運転席が広くて視界も良い。車体がとても大きく感じる。スタートから力強く走れます」と話し、フゥァン!という軽快な警笛音を鳴らし、車庫敷地内で試運転させた。
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